まったくわけが分からないパース定規
クリップスタジオの定規ツールのひとつである「パース定規」を使ってみようと思ったのですが、予想以上にわけが分からなかったのでここはじっくり腰を据えて「パース定規」と向き合っていこうと思います。
いろいろ検索して調べてみますが、調べれば調べるほど分からない単語が次々と出てきて「透視図法って何?消失点ってなに?アイレベルってなに?鉛直線ってなんだ?」
・・・。
小難しい単語ばっかり出てきてもう吐きそう・・・
もう嫌だ、パース定規なんて使わなくても死なないしヤメたヤメた!!!
と、思いましたが知らないことをほっとくのがなんか気持ち悪い・・・知らないなら調べれば済むことだ。と一個一個疑問点をつぶしていくことにしました。
そもそもパースってなんだ?
元をたどれば「パースってなんだ?」という疑問が出発点のような気がします。
いったい何を言っているんだ、といわれそうですが、正直なところ僕は美術系の学校やその手の習い事をしたことが無いので、そこら辺のことはなんとなく自分の「たぶんこういうことなんだろうな」というあやふやな解釈からスタートしています。
今までの自分の中の「パース」に対する勝手な解釈というかイメージとしては
「奥行きがある絵、立体?遠近感?遠くのものは小さく近くの物は大きい・・・」
こういったイメージというか、解釈でした。
実際に調べてみると「パース」とは英語の 「perspective・ぱーすぺくてぃぶ」の略で和訳すると「見方、考え方」のほかに「展望」、「遠近法」、「透視画法」などといった意味があります。
抱いてたイメージと大きなギャップがあったかというと、あながちそうでもない気がします。
「パース定規」というものは日本語に訳すと「遠近法定規、透視画法定規」ということですね。
もっとかみ砕いて言うと「遠近法とか透視図法って何よ?」ってことなんですが、遠近法とは絵を描くときに遠近感を表現する手法であり透視図法とは目に映る遠近感のある図を平面に正確に写し取る技法だそうです。
地平のかなたに消失点
透視図法について調べていると新たなワードが出てきました。それが
「消失点」です。
消失点とはまさしく読んで字のごとく消失する点です。
自分的には地平線に達する線路の例えが分かりやすかったです。
線路というものはその構造上どこでも二つのレールが等間隔で配置されていますが、遠くのものは小さく、近くの物は大きく描く遠近法ではその二つの線が遠く離れるほど接近し、いつかは交わり、交わった時点で終わりを迎えます。それが「消失点」です。
ここで自分的ざっくりとした解釈では「透視図法とはこの消失点を基準にして遠近感を演出して描く方法なんだろうな」と思いました。(正確にあっているかどうかは保証しかねます・・・)
はっは~ん、ということは「パース定規」というのはこの消失点を作ってそれに沿って線画をスナップ(定規にそって線を引く)させて描くってことでは?
と、思い。上記のフリーハンドで描いたいい加減な絵を「パース定規」を使って描きなおしてみることにしました。
一本ではどうにもならいない「消失点ガイド」
何も分からないときに「パース定規」を使ってみて混乱したのが線を二本以上引かないと他のツールに切り替えることすらできないということでした。
いろいろ調べて、消失点に対する理解が多少でもある今から思うと、それもそのはず直線一本だけでは線が交わることは永遠にありませんから消失点はできないので意味をなさないのです。
どこかで交わる線を二本引いて初めて消失点が生まれてパース定規としての意味を成すのだと思います。
消失点を作るために引く線のことを「消失点ガイド」と言い、その消失点ガイドが交わるように二本引くことで消失点が出来、パース定規として機能します。
消失点ガイドを二本引いて線を交わらせて消失点を作れば自動的に垂直線と水平線(アイレベル)が表示されます。
と、ここでまた新たなワード「アイレベル」が出てきました。
検索して調べてみると、ざっくり言えば「目線の高さ」「カメラ位置」だそうです。
決して「水平線=アイレベル」ではない。という意見もいろんなところで見かけました。
あまりこういう使い方はしないんでしょうが、先ほどのいい加減な遠近法の絵をパース定規を使って描いてみました。
こういう真正面からとらえて消失点が一つの物を「一点透視図法」というそうです。
他に「二点透視図法」「三点透視図法」があります。
だんだんつかめてきたパース定規の特性
ここまでやってみてなんとなく分かった「パース定規」の特性としては
- 斜線はどの場所からでも消失点を通過するようにスナップされる。
- 斜線以外は垂直と水平な線しか引けない
ということです。
じゃあ、「消失点ガイドを二本以上引いて消失点を増やしたらどうなるの」っと思い立ち、やってみたところ・・・
消失点ガイドは二本一組らしく、二本引いてすでに消失点が出来た消失点ガイド上に新たな消失点ガイドで交差する線を引いても消失点はできず、また新たに二本一組の消失点ガイドを用いて消失点を作成しないと処理が完了しないようで、他のツールに切り替えることが出来ませんでした。
それと消失点ガイドを何本も引くことで消失点はいくらでも増やせそうですが、数が増えるとどこかしらの消失点にスナップしてくるので何が何だか分からなくなりました。
ちなみに消失点ガイドを完全に平行にして二本引くことも出来ますが、そうすると水平な線か垂直線だけしか引けなくなります。
なんのための消失点ガイド?
「消失点を決めるだけならピンを刺すみたいに一点だけポンっと決めればいいじゃん」とも思ったのですが、本来は遠近感がでる建物の描画などのサポートのためにあるみたいなので、ラフ絵をもとに消失点を割り出すというのが消失点ガイドの本来の役割なのかなと思います。
ラフで描いた建物の線上に消失点ガイドを合わせて消失点を作っていきます。
右方向、左方向、縦方向とそれぞれ二本の消失点ガイドで消失点を作っていきます。
消失点を決めるとそのレイヤーでパース定規を表示してスナップを有効にしている限りはどの場所から線を引いても消失点を通過する角度(もしくは水平か垂直)の線を引くようになります。
このように三つの消失点を基準にしたものを「三点透視図法」といいます。
今回分かったことまとめ
- パースとは遠近法、透視図法のこと
- パース定規を使って交わらせて消失点を作るために引く線のことを消失点ガイドという
- 消失点ガイドを最低でも二本引いて線を交わらせて消失点を作らないとパース定規にならない(他のツールに切り替えも出来ない)
- 斜線は消失点を通過しようとする
- アイレベルは水平線のことではなく目線、もしくはカメラ位置のこと
- 透視図法には「一点透視図法」、「二点透視図法」、「三点透視図法」がある
自分的な解釈ではこんな感じです。(間違っているところ、勘違いしてるところも多々あるかも知れませんが・・・)
まだまだ奥が深そうな「パース定規」ですがとりあえずはここで一区切りつけたいと思います。
【参考にさせてもらいました】
【メイキング】「【3分メイキング】やってみよう~1点パース編【実践編1】」イラスト/ほんだ@僕らぶ16(H04) [pixiv]
【イラスト】アイレベル=水平線って誤って考える人が多い件【パースの話】 - Togetterまとめ
【補足】
最初の方に出てきた「鉛直線」とは糸の先にオモリをつけてたらした線のこと。
重力の方向に沿った線。
垂直線と同意。