子供のころからの憧れだったトーンを貼ってみよう
子供のころから漫画が大好きだった僕はスクリーントーンというものにちょっとした憧れのようなものを抱いていました。
ページをめくるたびに漫画を演出する様々なパターン模様がキャラを引き立たせ、漫画というものはこのパターン模様ありきの表現だと思っていました。
このパターン模様はスクリーントーンというものでフィルム状のものから漫画原稿用紙にゴシゴシこすることで転写してつかうものだと「まんが入門」的な漫画を読んでおぼろげならにそのようなイメージを抱き、「いつかつかってみたいなあ」なんて子供心に思ったものです。
実際に近所の文房具屋に行ってみてもスクリーントーンなんて置いているハズもなく「これはプロの漫画家がつかう当別な道具なんだ」と自分を納得させていたことを覚えています。
どうでもいい前置きはこれくらいにして、早速クリップスタジオで前回ペン入れした線画にトーンを貼っていきたいと思います。
【前回ペン入れした線画】
トーンの種類が多すぎて困る
トーンは上部メニューバーのウインドウ → 素材 → 素材[基本] の素材パレットに入っています。
線、円、ノイズなど様々な種類があり数も豊富です。
多すぎてどれを使っていいのやら迷うくらいです。
タグ指定して絞り込むことが出来るみたいなのですがここで気になったのが・・・
15.0線~75.0線とか、5%~50%って何なの?ってことです。
その下の「円、線、ノイズ、ホワイトトーン、万線・・・etc」は言葉のニュアンスからしてイメージがしやすいのですが、15.0線とか漠然とし過ぎてよく分かりません。
「数が多いほど線の密度が濃くなるってことなのかな?」なんて当てずっぽうで勝手に解釈してもしょうがないのでいろいろ試してみることにしました。
上記の①~④で円と単色はすべてに共通していて、〇〇線と〇〇%だけ変えてみました。
①を基準に②で%の値を50%に変えてみると・・・
「ドットのひとつひとつが大きくなったな・・・」という印象。
次に①の%値は変えずに線の値を75.0線に変えたのが③です
「ドットの感覚が狭まったかな・・・」
最後に③の%値を50%に変えたのが④です。
「やはり%値を上げるとドットのひとつひとつが大きくなるんだな」
といった感想です。
まとめると
- 線の値を上げるとドット(線)の配置の感覚は狭められ、下げると広がる
- %の値を上げるとドット(線)が大きく(太く)なり下げると小さく(細く)なる
といった感じでしょうか
以上のことを考慮して自分が貼りたいタイプのトーンを選んで貼っていきたいと思います。
トーンレイヤーはマスクレイヤーなの?
素材パレットから選んだトーンをキャンパスにドラッグ&ドロップすると選択していたレイヤーの上に新たにトーンレイヤーなるものが自動的に作成されてトーンが表示されます。
トーンレイヤーはマスクレイヤーみたいな感じで、「塗り」でトーンが表示になり、「消しゴム」か「透明色」で非表示になります。
大まかにいうと塗り属性であれば色はなんでもいいみたいです。
いったんトーンをキャンパス上にドラッグしてからDeleteかBackspaceで「塗り」を全消去してペンツールで部分的に塗ったり、選択範囲を取って塗りつぶしたりして表示させたりも出来るので自由度が高いです。
あらかじめ選択範囲を取ってからトーンをドラッグすると選択範囲部分だけにトーンが表示されます。
「塗り」なのでぼかしなどのフィルターの効果も表示範囲に関しては有効です。
下図はトーンをドラッグしたのち、いったん塗りを消去してから図形ツールで描画したものです。
これに上部メニューバーにあるフィルタ → ぼかし → ガウスぼかし 40.0 で処理すると
塗り部分にボケ足がでて表示範囲がぼかされます。
このときぼかされるのは表示範囲だけで中のトーンにボケ足は出ません。
トーンの方をぼかそうと思ったら新規レイヤーなど作ってレイヤーを統合させなければなりません。
この方法に限らず「トーン削りブラシ」を使うなど様々な方法があります。
と、ここまでいろいろ調べながらツールを試したりしていると割と重大な事実に行きついたのです。
はじめから言っといてよ、レイヤープロパティ
はじめの方でトーンの種類を選ぶのにいろいろ悩んだりしていましたが、そんなことは割とどうでもよくて、いちいち悩まなくても「レイヤープロパティ」で細かい調節が出来ることがわかりました。(今までの苦労はなんだったんだ・・・)
トーン線数でドット(線)などの配置する間隔を調整し、濃度でドット(線)の太さなどを調整します。(最初の方で数値を試した「%」にあたると思われます)
それに「網の設定」が思いのほかたくさんありました。
円や線のみならずにんじん、ハートって・・・・
それにトーンレイヤーでなくてもレイヤープロパティで「トーン」を選ぶとトーンの設定が出来るようです(トーンレイヤーのようにマスクはつきませんが)
思った以上にトーンは奥が深いです。
とっととトーン
いろいろ調べてもう疲れてきましたが、本題である線画にトーンを貼っていきます。
【途中経過】
正直、今までトーン貼りなんてやったことないのでどうすればいいのか戸惑いましたが、モノクロの階調としてとらえ、ハイライト(真っ白)、薄いトーン、中間の濃さのトーン、濃ゆいトーン、線画・ベタ(真っ黒)の五段階を意識してやってみることにしました。
いったん書き出して途中経過としてブログに貼り、プレビューを見てみたところ、どうも違和感を感じるのです。
モアレってなに?
上の途中経過の画像はこのブログで表示される画像のサイズより少し大きめのキャンパスサイズで作っています。ですので実際に表示される際は本来のサイズより少し縮小されて表示されるのですがその時にトーンの模様がピクセル等倍時のイメージと少し違うのが分かりました。
トーンを貼った画像を縮小したりすると「モアレ」というものが発生するそうなのです。
モアレとは
モアレまたはモワレ(仏: moiré)は、干渉縞ともいい、規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせた時に、それらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様のことである。
また、規則正しい模様を、デジタル写真などのビットマップ画像にした場合も、画像の画素解像度と模様の周波数のずれが原因で同様の縞模様が発生するがこれもモアレと呼ぶ。また印刷でも網点という点の集まりに画像を変換するので同様の現象が発生する。
画像が縮小されるたびパターンが変化していくのが分かります。(スマホ等で見ると、あまり変化は実感できないかも・・・)
ブログ表示でのモアレを防ぐには縮小されないサイズで書き出す必要があるみたいです。
今回はトーン貼りの実験みたいなものなので別にモアレが出ても気にしないことにします。(印刷用のデータとかになるともっと注意が必要ですがDTPまで行くと話がより複雑になるのでやめておきます)
いいかげん完成させろ
これまで調べたことを駆使してなんとか完成させました。
髪の毛のハイライト部分はデコレーションツールのカケアミ(トーン削り用)を透明色にして、不透明度を調整してやってみました。
やってみた感想としては
「うわ~なんか漫画みた~い」(自分でやっといてなんですが・・・)です。
あと、今回は少しトーンの貼りすぎではないかなと。
なんか絵がうるさい感じがしますので、やりすぎてもよくないと思われます。
実際にアナログでスクリーントーンを貼ったりプロの漫画家の先生の原稿を見たことは無いですし、漫画を読んでる時もトーンなんてあまり気にせずに読んでたので、いざトーンを貼るぞという時はよく分かりませんでしたけど、今度はその点も注意して漫画を読んでみたいと思います。
【参考にさせていただきました】
網点トーンの線数(L)、パーセント(%)って何?【印刷見本つき】 – 初心者でも安心!動画で使い方を1から解説するコミスタ講座2015
クリップスタジオペイントのトーンの貼り方講座 by 摩耶薫子|マンガ・イラストの描き方講座:お絵描きのPalmie(パルミー) - YouTube