アニメで一番好きなシーンを筆ペンで描いてみることにします
ブログでイラスト等を公開していると徐々にハードルが上がっていくような気がします。
「せっかく見てくれてるんだからいいもの描かないと」
とか
「上手に描いてみせたい」
なんて思いがちです。
これらの考えは別に間違っているとは思わないんですが、そのことによって自分の描きたいことにブレーキがかかったりすることはあまり好ましくないと思うんですよね。
「模写とか真似じゃなくって自分のオリジナルを描かないと!」
とか
「がんばってしっかり色塗りしたカラーイラストを描かないと!」
なんて変に気負って筆が止まるよりは好きなものを好きなだけどんどん描いていくほうが個人的にはいいんじゃないかなって思います。(お前にはそんな気負いなんてないだろ!っていうツッコミはおいといて)
なので今回は僕が描きたいって思うものを描きたい方法で素直に描いてみたいと思います。
好きなアニメと好きなアニメのシーンは違う
「一番好きなアニメは何ですか?」と聞かれると
ジャンルとかストーリーとかキャラクターとかいろいろな要素を総合して考えますから「うーん、なんだろうな・・・」とちょっと考え込んでしまいますけど、
「アニメで一番好きなシーンは何ですか?」と聞かれると僕は文句なしに真っ先にこのシーンだと答えられます。
それが 十二国記 第三十九話 風の万里 黎明の空 終章のワンシーンです。
アニメ十二国記は2002年にNHKBS2で放送されたアニメで結構前の作品なんですが僕はこのシーンが大好きで今まで何度となく見返していて、そのたびに胸が熱くなっています。
そしてアニメとは関係ないですけど、ごくたま~に「筆ペンで絵を描いてみたいな~」という欲求が出てくるときがありまして、今回筆ペンを買ってきてそのシーンを描いてみようと思い立ちました。
アニメ十二国記を知らない方のために僕が描きたいシーンまでのあらずじをごくごく簡単に説明してみたいと思います。(ちなみに僕は原作の小説は未読ですし、思い出しながら書きますので間違ってたらごめんなさい)
7分くらいで読めるすっごく簡単なあらすじ※ネタバレを含みます。たぶん
アニメ十二国記は日本の女子高生の中嶋陽子が妖魔や仙人、半人半獣などが存在する周王朝時代の中国のような世界観の異世界に飛ばされて、その国のひとつの王様になるという話です。
王様は世襲制ではなく、各国に一頭づつ存在する神獣である麒麟が天意に従って民の誰かを選びます。
主人公の中嶋陽子は元もとは十二国の人間でしたがなにかの手違いで現代の日本に生まれてきてしまったようです。
十二国のうちのひとつ慶国の王が死んだため、慶国の麒麟である景麒(けいき)が陽子を慶国の新王に選び半ば強引に契約したので陽子は日本から異世界である十二国に飛ばされてしまいます。
飛ばされた先で景麒とはぐれてしまったうえに慶国から遠く離れた見知らぬ場所に飛ばされてしまった陽子。
途方に暮れ、自分の運命を受け入れられず迷いながら旅をします。
様々な人たちとふれあい、様々な困難を乗り越え、苦しみ迷いもがきながら旅を続けた末に慶国の王、景王となることを決意します。
紆余曲折の末に新たに慶国の王、景王になった陽子ですがついこないだまで日本で女子高生していたものですから王宮のしきたり、それどころかこの世界の一般常識すらままならない状態だったので王に仕える官吏(かんり・日本で言う官僚とか大臣みたいな感じ?)とうまくいかず、朝議を進めるにも官吏の顔色をうかがうような自分に憤りを感じていました。
このままじゃいけないと思った陽子はこの世界のことをもっと学ぼうと王である自らの身分を旅人に偽り市井に降りて遠甫(えんほ)という老人の私塾でこの世界の理(ことわり)を学ぶため玉座を一時的に空けることにしたのです。
身分を隠して民と共に生活し遠甫のもとでこの世界のことを学んでいた陽子でしたが和州(日本で言う都道府県のひとつのようなもの)での圧政に苦しむ民が反乱を起こしたとの噂を聞き、身分を隠したまま和州に赴きます。
和州止水郷では郷長(日本で言う市長みたいなもの?)・昇紘(しょうこう)が民衆に苦役を課し税を搾り取り、私腹を肥やして民を虐げていました。
和州で打倒昇紘を掲げる反乱軍と身分を隠して接触した陽子は反乱軍と同調し反乱軍に加わって政府軍と戦うことになります。(王として官吏に指示を出しても決議がされるまで時間がかかるし途中でもみ消されてしまうかもしれないと考えたためです)
和州州侯(日本で言う県知事みたいなもの?)の呀峰(がほう)は昇紘を庇うために軍を送ります。昇紘が民から搾り取った税は州侯の呀峰に流れていました。呀峰は昇紘の黒幕だったのです。
しかし、呀峰の送った軍は陽子の加わった反乱軍に押し返されてしまいます。反乱軍にはどこからか噂を聞きつけた頼もしい武人が味方に付いてくれていましたし、見た目には分かりませんが陽子には護衛として強力な妖魔がついていたため陽子たちの加わった反乱軍の戦力は底上げされていたのです。
そしてついに昇紘を追い詰めるまでに至った反乱軍ですが、その目の前に王直属の近衛軍・禁軍が姿を現します。
王直属で慶国最強の近衛軍である禁軍が姿を現したことにより激しく動揺する人々。
民衆「王は反乱を許すなとお命じになられたのだ!もう終わりだ・・・」
禁軍が出てきたということは王自らが反乱軍を撃てと命令を下したと人々は恐れおののきますが陽子は王である自分の命令なしに禁軍が動いたことに疑問を抱きます。
実は禁軍を動かした黒幕は慶国冢宰で官吏のひとりである靖共(せいきょう)でした。
靖共は宮廷内では呀峰を糾弾するそぶりを見せ、表向きでは対立しているように見せていましたが裏ではつながり自分に都合の悪い存在を弾圧させ、昇紘に搾り取らせていたものを呀峰から自らへ流れさせ私腹を肥やしていました。
靖共こそが昇紘・呀峰の黒幕だったのです。昇紘の行いがバレれば自分が危ないということで靖共は禁軍を派遣したのです。
反乱軍の立てこもる郷城から少し離れた場所に陣をしいた禁軍ですが本来、王の命令なしでは動いてはならないので実際に攻撃は仕掛けてきません。
ですが威嚇の効果としては十分で反乱軍についてきた人々は既に戦意を喪失しつつあります。
そんななか陽子は自らの使い魔を王宮に遣わせ王の留守を預かっていた麒麟の景麒を拓峰(戦場)に呼び寄せます。
陽子は麒麟に騎乗し、空を駆け禁軍の陣の前にその姿をあらわにします。
その姿をみた禁軍の軍師たちはすべてを理解します。
空駆ける神獣あれはまさしく麒麟。
その麒麟に恐れ多くも騎乗できる人物はその麒麟が王と選んだ人物、景王のみでありその意味を介さない人間はこの国にはいないほどの周知の事実なのです。
陽子は景王として麒麟に騎乗したまま空の上から禁軍を見おろし、軍師のトップである左軍将軍の迅雷(じんらい)に詰め寄ります。
陽子「左将軍・迅雷。禁軍は誰の許しを得て、拓峰に来たのか?」
左将軍・迅雷「わ……わたくしは」
陽子「どこの王の宣下(せんげ)あってのことだ?」
左将軍・迅雷「そ……それはですな」
陽子「それとも禁軍の兵は将軍もろとも辞職し、呀峰の私兵になったか」
左将軍・迅雷「しゅ……主上っ!(王である陽子のこと)」
王宮の多くの官吏・軍師たちが陽子を見くびっていました。
年端もいかぬ小娘だと。
先王と同様に凡庸な王だと。
反乱と聞いて玉座にも現れず、王宮の奥で震えているものだと。
ですがその覇気は禁軍左軍将軍・迅雷を震えさせるに十分なものでした。
陽子「お前たちの主(あるじ)はいつから靖共になった!」
左将軍・迅雷「っ!!!」
陽子「靖共のために拓峰を攻めるというのなら・・・」
陽子「禁軍全てを反乱軍とみなすがよいか!」
左将軍・迅雷「す……すべて、知っておいでになる……」
全てを見透かされていたことを理解した迅雷は力なく後ずさりします。
そして陽子より勅命をもって命じられた禁軍によって呀峰、靖共は捕らえられ昇紘とともに投獄され初勅のエピソードへとつながっていきます。
最後に
アニメ十二国記にはこの他にも大好きなシーンがたくさんあるんですけど今回特に好きなこのシーン、禁軍全てを反乱軍とみなすがよいか!のところを描いてみました。
このシーン、何回見てもシビれるんですよね~。
最近NETFLIXでも視聴できると知ってこのシーンだけ何度も繰り返し見ていましたw。
上記のあらすじはアニメでいう39話分を出来る限りコンパクトにまとめましたので他の主要な人物がたくさん抜け落ちていますことをご了承ください。
たくさん描きましたからなんだか気が済みました。
お腹いっぱいになったのでしばらくは筆を使って絵を描きたくはならないと思いますw
ご覧いただいてありがとうございました。