今まで車を運転してきて3組のヒッチハイカーを乗せたけど、乗せる側にもコツがいるのかもしれない。
普通に町中を運転していてスケッチブックに目的地を書いて立っているヒッチハイカーに出くわすこと自体が珍しいんですが、僕はこれまで車を運転してきて3組のヒッチハイカーを乗せてきました。
僕自身がヒッチハイクをしたことなんてないんですが、歳をとっておじさんになってくるとヒッチハイカーに限らず自転車とかで「日本一周してます」みたいなボード掲げて走っている人とか見るとなんだか応援したくなっちゃうんですよね。
先日も東京在住の男子大学生二人を乗っけてきました。
彼らを乗せてたときにふと、乗せる側にもコツがあるのかなって思ったんです。
- 最初のヒッチハイカーはルクセンブルクから来たヒッピー風のおじさん。
- 英語がしゃべれなくても勝算はあった
- 同乗者の許可も取らないといけない。
- 一瞬の判断力が試される
- サービスエリアの方がつかまりやすい。
- 待っている場所がややこしいと乗っける難易度も上がる。
- まとめ
最初のヒッチハイカーはルクセンブルクから来たヒッピー風のおじさん。
僕が最初に乗っけたヒッチハイカーは外国の方でした。
おそらくこの人を乗っけてないとそのあとの二組のヒッチハイカーも乗せてないんじゃないかなって思います。
名前は忘れましたけどルクセンブルクからきた男性で島根県に住む友人を訪ねて日本にやってきたと言っていました。(便宜上ルクセンブルクさんと呼ぶことにします)
見た感じは50代なかばくらいのおじさんで身なりも「ザ・バックパッカー」って感じの人でした。
この方の場合かなり旅慣れてるっぽくて目的地の方向に歩きながら、しかも走行している車に目的地を書いたボード(この方はスケッチブックではなくホワイトボードでした)がよく見えるように掲げながら歩いていたのを覚えています。
それまでヒッチハイカーを見かけたことは何度かありましたけど「あっ!」と見つけた瞬間はもうかなり通り過ぎていたり、見つけても
「どうしようかな、乗せてあげようかな・・・」って逡巡しているうちに遠く離れてしまって
「あー戻るのもめんどくさいからまあいいか、だれか拾ってくれるでしょ」って感じでタイミングを逃していました。
そして何より「乗っけて大丈夫なんだろうか?」という不安のようなものがあり、それらのことを一瞬で判断しなくてはならないため乗せる方も割と簡単ではないと思います。
英語がしゃべれなくても勝算はあった
話はルクセンブルクさんにもどりますが彼の場合たまたま走っていた道路が直線だったのと、見つけて通り過ぎた直後に車が止めやすいスペースがあったのと、「外人さんのヒッチハイカーってどんなんだろう?」という好奇心が勝ったのが乗せることになった大きな要因でした。
ルクセンブルクさんは普段はアクセサリーを売って生計を立てているらしく祖国には奥さんと娘さんが二人いるみたいなことを言っていました。
ちなみにルクセンブルクさんは日本語がほとんどしゃべれません。
僕は簡単な文法の英会話ならできますが込み入った内容になると相手の言っていることは何とか理解できるけど何て返事をしたらいいのか分かりません。
そんなときに役に立ったのがIpadでした。
セブンイレブンなどのコンビニでフリーwifiが使えますので込み入った内容の答えとか伝えておかないといけないようなことはコンビニに立ち寄ってグーグル翻訳で翻訳してIpadを通して会話をしてなんとか意思の疎通はできたのです。
ルクセンブルクさんとは目的地の方向に一時間ほど一緒に楽しくドライブしてから別れました。
今思えば「外国人のヒッチハイカー」という結構難易度の高い人を乗っけたことが後々の自信になっていったのかもしれません。
同乗者の許可も取らないといけない。
二人目は福岡から東京を目指している28歳のアパレル勤務の男性でした。(便宜上アパレルくんと呼ぶことにします)
(※あば〇る君に寄せて描いたのは確信犯です・・・)
アパレルくんは高速道路の入り口付近で目的地を書いたスケッチブックを掲げていました。
そのとき僕はちょうど高速道路にのって一時間ほど離れた場所に住んでいる妹の家に母を連れて遊びにいこうとしていた途中でした。
目的の方向が一致していることを運転しながら一瞬で判断して車のスピードを落としつつ母に「ヒッチハイク乗せたいけどいい?」と確認してから100メートルくらい離れた場所で車を停止させました。
一瞬の判断力が試される
車を走行中に目的地が書かれたスケッチブックを掲げたヒッチハイカーが視界に飛び込んでくるのは一瞬のことなのでそのヒッチハイカーの雰囲気とかを推し量る暇(いとま)はほとんどありません。
あ、ヒッチハイカー見つけた⇒乗せてあげよう。
そういった思考の瞬発力のようなものが必要になってくると思います。
人によってはそういうことあまり深く考えずに「頭で考えるより身体が先に動くタイプ」って感じの人もいますが、僕はどちらかというとぐじぐじ考える方なので一瞬の判断力というか決断力のようなものは乏しいほうだと思います。
それでも「乗せてあげよう!」って一瞬で判断できるのはルクセンブルクさんとの経験があるおかげなのかもしれません。
だって彼のクセの強さに比べたら30手前の兄ちゃんなんて子供みたいなものですから。
それにルクセンブルクさんとの経験が自分にとってとてもすがすがしいものだったので「またヒッチハイカーを見つけたら時間に余裕があれば乗せてあげよう」と前もって決めていたということも決断できる要因のひとつだと思います。
サービスエリアの方がつかまりやすい。
アパレルくんは会社から一週間ほど有給休暇をもらってその間ヒッチハイク旅を楽しんでるようでした。
アパレルくん「もういい歳だし彼女ももうヒッチハイクとか辞めてくれって言ってるからこれが最後のヒッチハイクかもしれませんね~」
日本は治安がいいとはいえ、やはり待っている彼女としては心配なのでしょうね。
彼の目標としては一週間の休暇のうちに福岡に行って友人と会い、東京に戻るというということで、この調子だと予定通り東京に戻れそうだと言っていました。
彼が言うにはやはり下道、一般道でヒッチハイクをするよりも高速道路のサービスエリアとかでヒッチハイクをする方が格段に車は捕まえやすいようです。
アパレルくんとは僕たちが高速を降りる直前のサービスエリアまで一緒にドライブを楽しみました。
同乗していた母もめったに出来ない経験ができて、楽しそうにアパレルくんと会話をしていたように思います。
待っている場所がややこしいと乗っける難易度も上がる。
そして先日東京在住の大学生二人組を乗せたんですが彼らはちょっとややこしい場所でスケッチブックを掲げていました。
彼らは交差点の角でスケッチブックを掲げていたんです。
僕が見つけたのはちょうど右折をしようとしていた時で彼らのことが視界に飛び込んできたのは右折しようとハンドルを切っている最中でした。
(脳内思考僕)あ、ヒッチハイカーだ。「高速道路」って読み取れたぞ。これじゃあ上りか下りか分からないから高速の入り口まででいいのかな?まあいいや、今僕が向かおうとしている目的地とはちょっと違うけど乗っけてってあげよう。それにしても交差点でスケッチブックあげても車は止まりにくいだろうに・・・よし合図をだしてこの先で停止するか(脳内思考終わりこの間0.2秒)
僕は右折をしながら二人組の一人をしっかりと見据えて目が合うのを確認してから指で合図を出して20~30メートルほど進んだところで車を停止させました。
サイドミラーを見ると僕の合図に気付いたようで二人がうれしそうに走ってきます。
「いいですか?いいですかっ?」
興奮気味の二人に車に乗るようにうながして高速道路の入口へと向かいます。
話を聞くと二人は東京の大学に通う大学三年生でこれが学生時代最後の思い出のヒッチハイク旅だと言っていました。
ヒッチハイク旅もそろそろ終わりを迎え、東京に戻るために昨日半日くらい粘ったけど結局車がつかまらずに野宿して早朝からいろんな場所でヒッチハイクしていたそうです。
前回のアパレルくんの話を聞いていた僕は思い切って言いました
「えーい乗りかかった船だ、高速のってあげるよ。サービスエリアで待った方が車は捕まえやすいでしょ?」
「え!いいんですか!ありがとうございます!!!」
二人のテンションはさらに上がっていくようでした。
結局、高速道路にのって一番最初のサービスエリアで二人を降ろして、ついでに売店でお腹が減ったらつまめるようにとおにぎりと飲み物を買ってあげました。
二人は終始恐縮していて「え?いいんですか?いいんですか?」と遠慮気味でしたが大変喜んでくれていたようで僕の心もなんだか温かくなったような気がします。
そのあと僕は次のインターチェンジで高速を降りてまたすぐ高速にのって今度は来た道を帰ることに。
その途中で反対車線にある、さっき二人を降ろしたサービスエリアが見えたのですが、もうさっそくスケッチブックを掲げてヒッチハイクをしている二人の姿が見えて「ちょっとは休めばいいのに」と少し可笑しかったのを覚えています。
今まで僕が乗せてきたヒッチハイカーはみんないい人たちばかりでしたが中には危険な人もいるかもしれませんので手放しで推奨することはできませんがいい経験をさせてもらったと思っています。
彼らからしてみれば僕の方が一方的に善意を彼らに与えていると思っているかもしれませんがそれは大きな誤解で僕も彼らからたくさんのものを受け取っているのだと思います。
まとめ
ヒッチハイカーを乗せてあげるコツまとめ
- 乗せるか乗せないかは一瞬で判断しないといけないので、前もって「ヒッチハイカー見つけて時間に余裕があれば乗せてあげることにする」と決めておけば決断しやすい。
- 少しくらい通り過ぎても乗せてくれると分かればヒッチハイカーは喜んであなたの車まで走ってくる。
- 単独の女性ドライバーの場合はよっぽど他者への殺傷能力に自信が無ければ万が一のことがあるので推奨はできない。
今もこの空の下のどこかで旅をしているかもしれない彼らとこの世界のすべての旅人が無事でありますよう祈っています。
読んでくださってありがとうございました。